- 1 防災対応におけるドローン活用の有効性について
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質問要旨
災害対応において、被害状況を迅速かつ的確に把握することは、初動対応や避難誘導の精度を高める上で極めて重要と考える中、近年、ドローンを活用した被災地の情報収集や孤立集落の確認、河川・山間部の監視等が全国の自治体で広がりを見せているが、防災対応におけるドローン活用の有効性に関し、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。
(1)本府は災害対応の現場において、どのような場面・目的でドローンを活用しているのか。また、本府単独での災害対応は困難な場合が多く、府内各市町村や消防機関、警察、自衛隊等との連携が必要であると考えるが、連携体制はとのように構築しているのか。
(2)ドローンの導入・運用に当たっては、天候・地形・電波環境の技術的な制約や操縦者の育成、飛行許可の取得、個人情報保護等の課題もあるが、どのように対応するのか。
また、今後の解決に向けた具体的な取組方針はどうか。答弁
北川議員の御質問にお答えいたします。
(1)災害発生時におけるドローンの活用について
災害発生時におけるドローンの活用についてでございます。
ドローンは、上空からの情報収集に加え、負傷者の捜索活動や物資の輸送など、幅広い活用が可能であり、その運用にあたりましては、救助・救急などの支援活動を行う関係機関との連携が大変重要であると考えております。
京都府におきましては、本年2月、南丹市と連携し、衛星通信回線を使用して、空撮映像を危機管理センターに伝送する実証を行ったほか、3月には、宮津市などとともに、ドローンによる物資輸送訓練を行い、その有効性を確認できたことから、今年度、ドローンの活用を地域防災計画に盛り込んだところでございます。
また、京都府警察におきましては、長時間の連続飛行が可能な有線ドローンと衛星映像伝送アンテナの導入を予定されており、府内消防本部におきましては、消防庁の「ドローン技術指導アドバイザー制度」を活用し、操作研修を実施されるなど、災害対策本部の情報収集をはじめとした対応能力向上のため、連携体制を強化しているところでございます。
さらに本年8月の総合防災訓練におきましては、消防機関が、小型ドローンにより建物内の要救助者を捜索したほか、11月の原子力防災訓練におきましては、運搬用ドローンにより物資を海上自衛隊の船舶から孤立地域へ輸送するなど、連携して取り組んでいるところでございます。
(2)ドローンの導入・運用における課題についてドローンの導入・運用につきましては、
・様々な気象条件の下での飛行
・安全な運航のための関係機関との事前調整
・航空法に基づく申請や個人情報への配慮
などの制約や課題が明らかになっております。
そのため、気象条件によるドローン使用の可否の判断や、大規模災害時におけるヘリコプターとドローンとの接触事故の防止のため、災害対策本部におきまして、関係機関に加え、民間の協定締結団体とも連携し、飛行許可等の事前調整を含む航空運用調整を行うこととしております。
また、個人の特定が可能な映像の取扱いなど、個人情報保護についても徹底してまいります。
今後とも、ドローンを積極的に活用し、災害に強い京都づくりを進めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。
(3)ドローンの今後の活用拡大と連携について
防災分野でのドローンの活用拡大と連携の進め方についてでございます。
ドローンの活用につきましては、熟練したドローン操縦者の確保や災害現場の状況、使用目的に応じた機体を迅速かつ適切に運用できる体制が必要となることから、一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会と平成27年度に、都道府県としては全国初となる「災害時等における無人航空機の運用に関する協定」を締結したところでございます。
加えて、今年度には、京都府として、一般社団法人京都ドローン協会と協定を締結したほか、関西広域連合とその構成府県市が、南海トラフ地震など大規模広域災害を想定し、一般社団法人日本UAS産業振興協議会と協定を締結したところであり、これらの団体と連携の上、様々な災害を想定した情報収集や物資輸送などの訓練を行っているところでございます。
また、市町村など地域における防災訓練や民間事業者との連携につきましては、市町村が民間事業者と協働して実施しているドローンの操作研修や防災活動・訓練における活用など、消防団の自主的な取組について、「わがまちの消防団強化・応援事業」で支援することにより、地域に根差した取組を強化しているところでございます。
今後とも、日々進歩するドローン技術にも対応しながら、協定締結団体や市町村等との連携を一層強化し、災害発生時における効果的なドローンの活用を進めてまいりたいと考えております。
- 2 有害鳥獣対策について
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質問要旨
野生鳥獣による農業被害は深刻で、農家の耕作意欲を減退し、耕作放棄地の拡大にもつながる大きな問題となる中、近年はクマによる人的な被害も多く報告されるなど、有害鳥対策全般の強化・拡充が必要と考える一方、ライフル銃の許可申請の問題や射撃技術、クマ等の専門的狩猟の知識・経験など、課題が山積しており、一気に解決できるものではないと考えるが、有害鳥獣対策に関し、次の諸点について、所見を伺いたい。(農林水産部長)
(1)本府は、特定鳥獣管理計画等を策定し、有害鳥獣対策に取り組んできたが、被害が拡大する中、特にクマ等を含めた本府全体の有害鳥対策について、今後どのように実施していくのか。また、山林を切り開き、住宅開発が行われている地域や、山林と住宅地が隣接する環境で銃猟やわな猟等が困難な地域もあるが、そうした地域においてはどのように対策を展開するのか。
(2)狩猟者の増強に関し、次の諸点について、所見を伺いたい。
- 兵庫県では、狩猟者の育成に特化した県立の総合射場を設置し、狩猟者の安全管理、法令・マナー等の狩猟に関する基本知識を習得するための「学びの場」や、狩猟者の捕獲技術向上のための「実践の場」、そして、狩猟に関する「情報発信の拠点」と活用しており、本府においても、特に第一種狩猟免許取得者に対し、本府所有の休止中の射撃場を有効活用し、射撃や狩猟技術の向上を図る方法もあると考えるが、狩猟者の技術向上や育成をどのように図っていくのか。
- 本府では狩猟免許試験の回数の増加等の対策を講じているが、全国的には女性の狩猟者も増えており、若い狩猟者を増やすためには、更なる工夫が必要と考えるが、今後、法定猟法に定める4種類の狩猟免許所持者をどのように増やしていくのか。
(3)ジビエの利活用は、鳥獣被害対策と地域振興を両立することが重要であり、持続可能な社会の実現に寄与すると考えるが、現場では「人手不足」と「地域の持続力低下」が大きな課題となっている。ドローンやAIカメラを活用した出没情報の共有、若手狩猟者や地域おこし協力隊との連携、農業・視光・環境分野が一体となった総合的な被害防止モデルの構築など、時代に即した取組を積極的に進める必要があると考えるが、単に捕獲の強化にとどまらず、地域ぐるみの防除活動等を支える観点から、今後どのように取組を進めるのか。
答弁
(1)有害鳥獣対策全般について有害鳥獣対策についてでございます。
京都府では、有害鳥獣の生息状況を踏まえ、種類ごとに特定鳥獣管理計画を策定し、農作物被害の軽減と府民生活の安心・安全の確保に向けて被害防止対策に取り組んできたところでございます。
農作物被害の約8割を占めるシカやイノシシへの対策では、奨励金制度を活用した捕獲や、約4千kmに及ぶ侵入防護柵の設置を進めてまいりましたが、被害額は令和5年度から増加に転じており、人口減少・高齢化が進む中、捕獲と防除の対策をより効率的に推進する必要があると考えております。
具体的には、府の研究機関が開発した侵入感知装置を装着した防護柵の普及を図り、侵入情報に基づく捕獲の効率化と、防護柵の維持管理の省力化につなげてまいりたいと考えております。
人身被害が問題となるクマへの対策では、令和3年度から狩猟を解禁するとともに、人家や農地周辺での被害防止捕獲を実施してまいりましたが、今年度は、府北部地域において人身被害が2件発生し、これまで出没が殆どなかった南部地域においても多くの出没が確認されるなど、対策を強化する必要があると考えております。
出没防止に向けて、人の生活圏との緩衝帯となる里山林の整備を支援するとともに、南部地域においても、クマの生息範囲や生息数の実態把握について、有識者の意見も聴きながら必要な対策を検討してまいりたいと考えております。
また、山林と住宅地が隣接する地域におきましては、銃猟・わな猟の実施や緩衝帯の整備が困難であり、市町村と連携し、果樹など誘引物の除去や、住民への出没情報の提供と注意喚起の強化に取り組んでまいります。
加えて、本年9月から制度が開始された緊急銃猟が市町村において適切に運用されるよう、実施マニュアルの作成や必要な体制整備を支援するとともに、国の「クマ被害対策パッケージ」で示された出没防止対策も活用し、市街地でのクマの被害防止に取り組んでまいります。
(2)狩猟者の育成について
次に、狩猟者の育成についてでございます。
経験豊富な狩猟者の高齢化・減少が進む中、即戦力となる狩猟者の育成が急務であり、加えまして、今後の継続的な捕獲体制の整備には、免許取得者の狩猟現場への誘導や、免許取得に向けた更なる人材の確保も重要だと考えております。
即戦力となる狩猟者の育成につきましては、免許取得者を対象に、ベテラン狩猟者が個別指導を行うインターンマイスター制度を実施し、これまでに銃猟で238名、わな猟で158名の方々に基礎的な知識や技術の習得いただいたところでございます。
免許取得者の狩猟現場への誘導につきましては、銃猟の免許取得者のうち約3割は、安全面への不安から狩猟者登録を行っていない状況を踏まえ、現場の第一線で活躍いただけるよう、射撃場での実践研修や安全講習に加えて、情報交流や技術研鑽のためのネットワークづくりを進めてまいりたいと考えております。
免許取得に向けた更なる人材の確保につきましては、これまで、4種ある狩猟免許の種類を問わず、セミナーの開催や免許試験の回数増により、間口を広げる取組を実施しておりますが、今後は、鳥獣被害の大半を占めるクマやシカなどの大型鳥獣の捕獲に有効な「第一種銃猟」と「わな猟」の新たな免許取得者を確保していくことが必要だと考えております。
このため、兼業農家や移住者などに加え、農大生や林大生に対して免許取得を促すとともに、自然志向の高い女性や若年者を対象に、ジビエや狩猟体験を通じて狩猟の魅力を伝えるフォーラムを開催するなど、免許取得者の裾野拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
(3)地域ぐるみの防除活動について
次に、地域ぐるみの防除活動についてでございます。
農村地域の狩猟者の高齢化や担い手不足により、銃猟やわな猟の実施や防護柵の維持管理、捕獲した個体の搬出など、鳥獣被害対策の実施が困難となる中、狩猟者と地域住民が連携し、地域ぐるみで取組を進めることが重要だと考えております。
京都府では、各広域振興局単位で「野生鳥獣対策プロジェクトチーム」を結成し、被害箇所の分布や加害獣の傾向など、地域住民の情報を集約した「集落診断カルテ」の作成を伴走支援しており、地域住民が狩猟以外の作業をサポートすることで、効果的な捕獲・防除の推進につなげているところでございます。
また、ジビエ事業者が新鮮な食材調達と地域貢献の観点から、自ら有害鳥獣を捕獲・加工し、飲食店に提供する事例や、キャンプ場利用者を対象に里山体験として柿のもぎ取りイベントを実施し、防除につなげる事例も出てきており、多様な分野と連携した地域ぐるみの防除活動の推進につなげてまいりたいと考えております。今後とも、市町村や地域の方々に加え、多様な関係者と連携し、捕獲と防除による対策を強化し、有害鳥獣被害の軽減に取り組んでまいります。